
エンリッチド・エア・ナイトロックスとは
ナイトロックスとは、窒素「Nitrogen」と酸素「Oxygen」を組み合わせたできた造語です。これは、窒素と酸素の混合比に関係なく「窒素と酸素が混ざっている気体全て」を指します。ですので、私たちが周りに存在する「空気(大気)」も「ナイトロックス」という事になります。
それでは、エンリッチド・エアとは何でしょうか?通常の空気(大気)は、窒素約78%、酸素約21%、その他のガス約1%でできています。この比率を変え、酸素が22%以上のものを「エンリッチド・エア」(正式には「エンリッチド・エア・ナイトロックス」)と言います。
ちなみに、エンリッチド(Enriched)は「豊富な、濃厚な」という意味ですから「酸素の多い濃厚な空気」ということになります。
ナイトロックスのメリット
なんと言っても「酸素の多い濃厚な空気」ですから、逆に言えば「窒素が少ない空気」になります。水中で呼吸する空気に含まれる窒素量がそもそも少ないという事は、単純に減圧症の危険性を減らすことができるということになります。また、減圧不要限界が伸びるということにもなります。
減圧症の危険性を減らすことができる
例えば
水深18mで50分間のダイビングを行います。この時、通常の空気とEANx32(エンリッチド・エア32%)の体内に吸い込む窒素量を比較してみます。ちなみに、1分間の呼吸量(吸い込み量)は7リットルとします。
通常の空気 … 7.0リットル x 50分 x 2.8倍(水深20mは約2.8気圧)x 78%(窒素濃度)= 764.4リットル
EANx32 … 7.0リットル x 50分 x 2.8倍(水深20mは約2.8気圧)x 67%(窒素濃度)= 656.6リットル
EANx32を使用することで、約100リットル分の窒素を削減することができます。
*あくまでも単純計算です。
減圧不要限界が伸びる
下図は、各水深での通常の空気(酸素21%)とエンリッチド・エア(酸素32%)の減圧不要限界をあらわしています。
深度 | 通常の空気(酸素21%) | EANx32(酸素32%) |
---|---|---|
18m | 52分 | 77分 |
21m | 37分 | 57分 |
24m | 29分 | 43分 |
EANx32を使用することで、水深18mで25分、水深24mで14分の減圧不要限界を伸ばすことができます。
*注意すべき点は、上記の二つを同時に求めることは出来ないという事です。
通常の空気と同じ深度、同じ時間で潜るのなら、窒素量が少なくなるため減圧症のリスクは軽減されます。ただし、ナイトロックスを使うことで増やすことのできた減圧不要限界は無駄となります。逆に、増やすことのできた減圧不要限界を存分に使う事は、通常の空気を使用した時と同じ、またはそれ以上の窒素量となり、減圧症のリスクは高まる可能性があります。
誰でも使えるの?
「エンリッチド・エア・ダイバー」のCカードをお持ちの方は、PADI以外の指導団体であってもご利用いただけます。
また、12歳以上で、オープン・ウォーター・ダイバーまたはジュニア・オープン・ウォーター・ダイバー以上の認定を受けている方であれば、PADIエンリッチド・エア・ダイバー・スペシャルティを受講することが可能です。
「エンリッチド・エア・ダイバー」のCカードをお持ちでない方は、体験コースとしてご利用いただくことが可能です。
レンタル料金
追加料金 | 備考 | |
---|---|---|
レンタルタンク | Rp80,000 | 1タンク |
注意事項
- エンリッチド・エア・Cカード保有者は、Rp10,000/タンクの割引を受けることができます。必ずCカードをお持ちください。
- 全エリアで使用可能です。ご利用希望の前日17時までにお申し出下さい。
- ナイトロックス対応ダイブコンピュータの使用を義務付けております。(お持ちでない場合は必ずレンタルしてください。)
エンリッチド・エア・ダイバー・スペシャルティ
通常のタンクと比べ減圧不要限界を延長することができ、水中写真や水中ビデオ撮影など、水中生物をいつも以上に観察することが出来ます。このスペシャルティを修得することにより、世界各地のダイブサービスにてエンリッチド・エア・ナイトロックス・タンクのレンタルや使用が容易になります。
PADIエンリッチド・エア・ダイバー・スペシャルティ講習
PADIコース | 講習費 | マニュアル、申請代 | 合計 |
---|---|---|---|
エンリッチド・エア・ダイバー | Rp2,200,000 | Rp1,400,000 | Rp3,600,000 |
注意事項
- [参加条件] 12歳以上、PADIオープン・ウォーター・ダイバー以上又はそれと同等の他団体Cカードレベル
- [講習内容] 知識の開発、海洋実習(2ダイブ)
- 標準的なダイビング器材一式、ガイドフィー、*ホテル送迎、昼食と飲料水が含まれています。
- ご自身のダイビング器材(フルセット)をご使用の場合は、一日につきRp100,000の器材持ち込み割引がございます。
- 実習地はアメッド、スラヤ、またはトランベンのいずれかです。
- PADIマニュアル、申請代は予告なしに変更されることがあります。
*ホテル送迎について
- 併設ホテル以外のホテル等にご宿泊の場合、当店より半径5km圏内の送迎は無料です。